月間利用データで顧客を5段階に分類し、対策の優先順位を明確にする方法
この記事で得られる成果
この記事はこんな方におすすめ
1. 「全顧客に同じ対応」では成果が出ない理由
顧客数が増えてくると、必ず直面するのが「誰を優先すべきか」という問題です。すべての顧客に同じリソースを割いていては、限られた時間と人員では対応しきれません。
■ よくある問題
- 月間利用回数が30回以上の顧客と、1回だけの顧客に同じ対応をしている
- どの顧客が「成長可能性が高いか」の判断基準がない
- 対策の優先順位が曖昧で、結果的に「声の大きい顧客」に引きずられる
- 経営層に「顧客の状況」を説明する際、具体的な数値で示せない
この状態では、本来注力すべき「伸びしろのある顧客」への対応が後回しになり、成果の最大化が困難になります。
曖昧な基準が生む非効率
「継続している顧客」という曖昧な基準では、月1回の利用者も月30回の利用者も同じカテゴリに分類されてしまいます。これでは、利用頻度に応じた適切な対策が取れません。
必要なのは、利用データに基づいた明確な分類基準と、それぞれのランクに対する具体的なアクションプランです。
2. 月間利用データによる5段階ランク分類の実践
ある企業では、月間利用回数(ユニークユーザー数)をベースに、顧客をS/A/B/C/Dの5段階にランク分けする仕組みを構築しました。
ランク分類の具体的基準
| ランク | 月間利用回数(UU) | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| Sランク | 30回以上 | 維持・拡大(活用度向上) |
| Aランク | 10〜30回 | Sランクへの引き上げ |
| Bランク | 1〜10回 | 継続利用の促進 |
| Cランク | 1回以上(継続なし) | 再利用の働きかけ |
| Dランク | 0回(未利用) | 初回利用の促進 |
なぜ「30回以上」をSランクに設定したか
月間30回以上の利用は、ほぼ毎日利用している状態を意味します。この層は「サービスが日常に定着している」と判断でき、他の顧客とは明確に区別すべき存在です。
■ 数値基準を設定する際のポイント
- 「何となく高い」ではなく、明確な数値を設定する
- 顧客の全体像(総来店者数)に対する割合を考慮する
- 経営層や第三者が見ても判断できる基準にする
- 対策の実行可能性を踏まえて段階を設定する
ランクと対策を連動させる
重要なのは、ランク分けをするだけでなく、各ランクに対する具体的な対策と連動させることです。
| ランク | 担当部門 | 主要アクション |
|---|---|---|
| Sランク | カスタマーサクセス | 利用状況の可視化、効果測定のサポート |
| Aランク | カスタマーサクセス + マーケティング | 利用促進施策、成功事例の共有 |
| Bランク | カスタマーサクセス | 継続利用のための障壁の特定と解消 |
| Cランク | マーケティング | 再利用キャンペーン、リマインド施策 |
| Dランク | 営業 + マーケティング | 初回利用までのステップ管理 |
ランクとステップを組み合わせる
さらに効果的なのは、ランク(利用頻度)とステップ(認識段階)を組み合わせて考えることです。例えば、Sランクでありながら「サービスの効果を認識していない」顧客には、利用促進ではなく「効果の可視化」が必要です。
■ 実践例:Sランクだが認識が低い顧客
月間30回以上利用しているが、「サービスを申し込んだことすら覚えていない」「お客様が勝手に使っているだけ」と認識している顧客に対しては、利用データを可視化して「これだけの集客効果が出ている」と伝えることで、意識を変えることができました。
3. 明日から始められる5つのステップ
ステップ1:月間利用データを抽出する
過去3ヶ月分の月間ユニークユーザー数(または利用回数)を顧客ごとに集計します。CSVやスプレッドシートで管理している場合は、ピボットテーブルを使うと効率的です。
データ例:
A社(30回)、B社(5回)、C社(1回)、D社(0回)
ステップ2:ランク分類の基準を設定する
自社の顧客分布を見ながら、S/A/B/C/Dの境界値を設定します。最初は仮の基準で構いません。運用しながら調整していきます。
ポイント:
「30回以上」「10〜30回」など、明確な数値で境界を引く
ステップ3:顧客をランク別に分類する
設定した基準に従って、全顧客をS/A/B/C/Dに振り分けます。スプレッドシートであれば、IF関数やVLOOKUP関数を使って自動分類できます。
結果例:
Sランク(15社)、Aランク(40社)、Bランク(80社)、Cランク(120社)、Dランク(200社)
ステップ4:ランク別の対策を設計する
各ランクに対して「誰が」「何を」するかを明確にします。担当部門、アクション内容、実施頻度を決めます。
例:
Aランク → カスタマーサクセスが月1回電話 → Sランクへ引き上げ
ステップ5:月次でランク推移を確認する
毎月、顧客のランク推移を確認します。「AランクからSランクに上がった顧客」「BランクからCランクに下がった顧客」を特定し、対策の効果を検証します。
改善指標:
Sランクの割合が前月比+3%、Aランクからの引き上げ成功率40%
まとめ
月間利用データによる5段階ランク分類は、限られたリソースで最大の成果を出すための強力な手法です。明確な数値基準で顧客を分類し、ランクごとに適切な対策を実施することで、効果的な顧客対応が可能になります。
重要なポイント
- 明確な数値基準でS/A/B/C/Dの5段階にランク分類する
- 各ランクに対する具体的な対策と連動させる
- 最初から完璧な基準を作る必要はなく、運用しながら調整する
- 月次でランク推移を確認し、対策の効果を検証する
- ランク分けの目的は「対策の優先順位を明確にすること」


