この手法で得られる成果
この記事はこんな方におすすめ
1. ロープレフィードバックで陥りがちな「答えありき」の罠
ロールプレイング(ロープレ)のフィードバックは、メンバーの成長を促す重要な機会です。しかし、多くのマネージャーが無意識に「答えありき」のフィードバックをしてしまい、メンバーの納得感を得られないという課題を抱えています。
■ 典型的な問題パターン
- 「なぜそのタイミングで料金を話したの?」→(答え:課題とアリングを先にすべき)
- 相手が「予算を気にしているよう だった」と答える→無視して自分の見解を述べる
- 「X は課題を深掘りしてね」で終了
結果:メンバーは納得感を得られず、同じミスを繰り返す
2. 相手の意図を理解するまでヒアリングする:フィードバックの質を変える3つのポイント
Before:答えありきのフィードバック
- 「なぜあのタイミングで料金を話したの?」→(答え:課題とアリングを先にすべき)
- 相手が「予算を気にしているようだった」と答える→無視して自分の見解を述べる
- 「Xは課題を深掘りしてね」で終了
結果:メンバーは納得感を得られず、同じミスを繰り返す
After:意図を理解するフィードバック
- 「なぜそのタイミングで料金を話したの?」→相手の思考を100%受け入れて聞く
- 「予算を気にしているように見えた、ということは具体的にどんな反応があったの?」→深掘り
- 「他にどんな選択肢を考えた?」→思考プロセスを確認
- 前提条件のズレを発見→「実は、ロープレの想定では予算は問題ないという設定だったんだけど、それは伝わってた?」
結果:メンバーは自分の思考のクセに気づき、次回の判断軸が明確になる
実践で発見された典型的な問題パターン
この手法を実践すると、以下のような問題パターンが浮き彫りになります。
| 問題パターン | 具体例 | 対処法 |
|---|---|---|
| 前提条件が伝わっていない | ロープレの想定顧客の状況や予算感、決裁権限などの前提がメンバーに伝わっていないため、判断基準がズレる | ロープレ開始時に前提条件を明確にし、理解度を確認する |
| 深掘りをしているつもりで違う質問をしている | 「なぜそう思ったか?」を聞いているつもりで、実際には「こうすべきだったのでは?」という誘導質問になっている | 相手の回答を100%受け入れ、「具体的にどういう状況だったの?」と事実確認から始める |
| 相手の考えを事実として捉えている | 「顧客が予算を気にしていた」という発言を、実際の顧客の状態と混同してしまう | 「予算を気にしているように見えた、というのは具体的にどんな発言や反応があったの?」と確認 |
| 数字の解釈すり合わせができていない | 「高い」「安い」「多い」「少ない」など、基準が曖昧な表現で会話が進んでしまう | 「高いと感じたのは、いくらと比較して?」「何件くらいが多いと感じる?」と具体的に確認 |
3. 明日から使える3つのステップ
ステップ1:わからないことを明確にする
フィードバック中、メンバーの発言で理解できない部分があれば、その場で「なぜわからないのか」を自問します。理由を特定したら、素直に「その部分について詳しく教えてくれますか?」と聞きましょう。
具体例:メンバーが「顧客の反応が悪かった」と言った場合、「反応が悪いというのは、具体的にどんな発言や態度だったの?」と確認します。
ステップ2:100%相手の意見を受け入れる
メンバーが「わからない」と答えた時こそチャンスです。「わからない理由」を一緒に探ることで、本質的な課題が見えてきます。自分の正解を押し付けず、メンバーの思考プロセスに寄り添いましょう。
実践方法:「なぜそう思ったか教えて」→「わからないです」→「どの部分がわからないのか、一緒に整理しようか?」という流れで進めます。
ステップ3:共通言語で確認する
フィードバックの最後に、理解した内容を自分の言葉で要約し、メンバーに確認します。「つまり、○○ということでいいかな?」と聞くことで、解釈のズレを防げます。
チェックポイント:わからないポイントを言語化できているか、共通言語で共有できているかを毎回確認しましょう。
まとめ
「答えありき」のフィードバックから脱却することで、メンバーの納得感が大幅に向上し、行動変容を促すことができます。相手の思考プロセスを100%受け入れ、理解できるまでヒアリングすることが、フィードバックの質を高める鍵となります。
この手法を実践することで、ロープレの効果が劇的に変わります。メンバーは自分の思考のクセに気づき、次回の判断軸が明確になることで、改善速度が向上します。
重要なポイント
- わからないことを明確にし、素直に聞く
- 100%相手の意見を受け入れ、思考プロセスに寄り添う
- 共通言語で確認し、解釈のズレを防ぐ
- 前提条件を明確にし、判断基準を揃える
まずは次のロープレから、この3つのステップを意識して実践してみてください。メンバーの反応の変化に、きっと驚くはずです。


